岩木山神社〔重要文化財〕 -青森県弘前市百沢-
2020 / 09 / 20 歴史コラム
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岩木山神社(いわきやまじんじゃ)は、津軽国一宮、津軽富士とも呼ばれる岩木山の麓に鎮座する神社です。親しみを込めて「お岩木さま」「お山」とも呼ばれますが、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神、また祖霊の座すところとして崇められてきました。
創建は、今から約1200年前の宝亀11年(780)、社殿を山頂に建立したのがはじまりとされます。延暦19年(800)に、征夷大将軍 坂上田村麿がこれを再建し、別に山麓の十腰内に下居宮(おりいのみや)を建立し、山頂を奥宮と称し、寛治5年(1091)神宣により、下居宮を現在地百沢に遷座しました。当時は神仏習合で、百沢寺(ひゃくたくじ)と称していたものが、明治時代の神仏分離で寺を廃し、現在の岩木山神社となっています。
天正17年(1589)、岩木山の噴火により、当時の百沢寺は全焼しましたが、江戸時代には津軽藩主 為信・信牧・信義・信政により大造営が行われ、建造物、諸施設とも整い、日本の北門鎮護の名社として、農業・漁業・商工業・医薬・交通関係、とりわけ開運福の神として篤く崇敬されています。
拝殿横からは、奥宮登拝道が続きます。奥宮はこの神社の起源となっており、登られる方もありますが、ここから岩木山頂までは険しい登山道で、登山経験のある方向きのコースです。ドライブウェイとリフトを利用すれば一般の方でも比較的容易に登れますが、山頂近くは足場の悪い岩山ですので、足回りを整え、独立峰は天候も変わりやすいので、注意して登りましょう。
地図-岩木山神社
北門鎮護 岩木山神社
撮影日 令和2年9月3日