名古屋城〔特別史跡〕 -愛知県名古屋市中区-
2021 / 01 / 20 歴史コラム
目次
-
-シェア
名古屋城は、名古屋市のシンボルで、天守に輝く金の鯱が有名です。日本100名城の一つにも数えられ、国の特別史跡に指定されています。
ここには16世紀後半、今川氏が築城した那古野城がありました。熱田台地の北西端に位置し、濃尾平野の軍事上の要衝にあたります。織田信長はここから清州に本拠地を移したため廃城になっていました。
関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、豊臣方への備えとして慶長18年(1609)にここに新城を築き、それまで城のあった清州から城下町を移しました。以後御三家筆頭の尾張徳川家の居城となりました。
名古屋城は昭和5年(1930)には、城郭建築として最初の国宝に指定されましたが、昭和20年(1945)の名古屋空襲で焼失してしまいました。本丸が鉄筋コンクリートで再建されたのは昭和34年(1959)で、博物館としての公開されていましたが、半世紀が経過し、老朽化や耐震性の問題があり、現在は本丸は閉鎖されています。今後現存する資料を元に、木造での復元を目指しています。
空襲で失われた本丸御殿は、平成30年(2018)年復元され、現在見学できるのはこの建物です。本丸御殿は尾張藩主・政庁として慶長20年(1615)徳川家康により建てられたものです。日本を代表する近世書院造で総面積3,100㎡、13棟の建物で構成され、絢爛豪華な障壁画や飾り金具など、見事で見ごたえがあります。