独股山前山寺(重要文化財) – 長野県上田市前山
2025 / 09 / 20 歴史コラム
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前山寺(ぜんざんじ)は、真言宗智山派の古刹で、塩田平を見下ろす独鈷山麓に佇む霊場です。本尊は大日如来、間口十間、奥行八間の木造萱葺の本堂は、元禄11年(1698)~享保12年(1727)の創建と推定されます。弘仁年中(812)空海上人が護摩修行の霊場として開創したと伝えられ、元弘年中(1331)讃岐国善通寺より長秀上人が来止し、正法院を現在の地に移し、前山寺を開山したといわれます。境内に建つ三重塔(国指定重要文化財)は、室町時代の建立とされ、三間三重で、高さ19.5m、屋根は柿葺です。二、三重の柱に長押仕口がありながら、窓も扉もなく、また廻廊も勾欄もありません。回廊を作るための角材はあるので、作る予定はあったようですが、これらが無いことでかえってすっきりとした姿となり「未完成の完成の塔」と呼ばれています。




