歴史コラム

  • 2020.9.20 歴史コラム 岩木山神社〔重要文化財〕 -青森県弘前市百沢-

    岩木山神社(いわきやまじんじゃ)は、津軽国一宮、津軽富士とも呼ばれる岩木山の麓に鎮座する神社です。親しみを込めて「お岩木さま」「お山」とも呼ばれますが、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神、また祖霊の座すところとして崇められてきました。
    創建は、今から約1200年前の宝亀11年(780)、社殿を山頂に建立したのがはじまりとされます。延暦19年(800)に、征夷大将軍 坂上田村麿がこれを再建し、別に山麓の十腰内に下居宮(おりいのみや)を建立し、山頂を奥宮と称し、寛治5年(1091)神…

  • 2020.8.20 歴史コラム 尾瀬〔特別天然記念物〕 -福島県檜枝岐村・新潟県魚沼市・……

    尾瀬(おぜ)は、福島県・新潟県・群馬県にまたがる高原で、尾瀬国立公園に指定され、ミズバショウ、ワタスゲ、ニッコウキスゲなど、湿原特有の貴重な植物群落が見られ、その自然美は素晴らしいものです。ほぼ全域が国立公園特別保護地域および特別天然記念物に指定されており、湿原保護のため、ほぼ全域に木道が整備され、山に不慣れな方でも歩き易くなっています。
    尾瀬は周辺火山の噴火活動により、約一万年前に形成されたと考えられています。至仏山、燧ヶ岳などの2,000メートル級の山々に囲まれた盆地となっており…

  • 2020.7.20 歴史コラム 府中市郷土の森博物館 -東京都府中市南町-

    府中市郷土の森博物館(ふちゅうしきょうどのもりはくぶつかん)は、東京都府中市にある野外博物館です。博物館本館・プラネタリウムをはじめ、地形を生かした園地に復元建築物を配置し、歴史の息吹や四季の折々の自然に触れることが出来るようになっています。
    博物館の学芸分野は、考古、歴史、民俗、自然、天文とさています。考古分野では、この地域は、武蔵国の国府が置かれたため、奈良・平安時代の遺跡が多く、発掘調査と研究の成果は、全国の国府研究のなかでも大きな役割を果たしています。歴史分野では、古代・中…

  • 2020.6.20 歴史コラム 妻沼聖天山〔国宝〕 -埼玉県熊谷市妻沼-

    妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)は、埼玉県熊谷市にある真言宗の寺院で、歓喜院(かんぎいん)とも呼ばれます。日本三大聖天の一つとされ、聖天堂(本殿)は国宝に指定されています。
    寺伝では治承3年(1179)に、長井庄を本拠とした斎藤別当実盛が、大聖歓喜天を奉り聖天宮を開のが始まりとされています。国宝の聖天堂は、江戸中期に再建されたものですが、大工棟梁は妻沼の名工林兵庫正清といわれ、幕府作事方棟梁の平内政信の子孫であり、二十数年をかけて再建されたものです。拝殿・中殿(相の間)・奥殿か…

  • 2020.5.20 歴史コラム 島田宿大井川川越遺跡〔史跡〕 -静岡県島田市-

    島田宿大井川川越遺跡(しまだしゅくおおいがわかわごしいせき)は、江戸時代、東海道最大の難所、大井川の川越制度に関する遺跡で、当時の町並みが復元、保存された野外ミュージアムとなっています。
    大井川は、江戸時代、幕府により架橋、通船を禁じられていました。「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と「箱根馬子唄」(はこねまごうた)に歌われた所以です。ここでは川越人足たちの手を借りなければ、川を渡ることができず、島田宿の川越し…

  • 2020.4.29 歴史コラム 瑠璃光寺〔国宝・史跡〕 -山口県山口市香山町-

    瑠璃光寺(るりこうじ)は、曹洞宗の寺院で、山号は保寧山といい、防長屈指の大寺です。境内は香山(こうざん)公園と呼ばれ、五重塔を中心として、桜や梅の名所にもなっています。五重塔は国宝に、毛利家墓所は国の史跡に指定されています。

    瑠璃光寺は、文明3年(1471)、陶弘房の夫人が夫の菩提をとむらうために、山口市仁保高野に創建した寺で、はじめ安養寺といいましたが、明応元年(1492)に瑠璃光寺と改められました。
    現在の瑠璃光寺の場所には、室町時代、大内義弘が香積寺を造立…

  • 2020.3.20 歴史コラム 小湊山誕生寺〔かおり風景100選〕  -千葉県鴨川市小湊……

    誕生寺(たんじょうじ)は、日蓮聖人の誕生を記念して建立された寺院です。寺の前に広がる海の沖合には、日蓮誕生の際に鯛が集まり蓮の花が咲いたという逸話があり、地元民はこの海域での漁を禁じ「鯛の浦」と名づけ保護してきました。この真鯛の群泳は現在でも見ることができ、国の特別天然記念物に指定されています。

    誕生寺は日保上人により建治2年(1276)日蓮聖人誕生の地に創建されました。しかし、明應2年(1498)大地震と大津波により流失し、現在の地に移りました。小湊村は近海航路の港…

  • 2020.2.29 歴史コラム 新府城跡〔国指定史跡〕 -山梨県韮崎市中田町-

    新府城(しんぷじょう)は、武田勝頼が天正9年(1581)に築いた城で、武田家滅亡に関わる悲劇の城として知られています。現在は公有地となっており、本丸跡には藤武稲荷神社、塚などが置かれ、昭和48年(1973)には国の史跡に指定されています。

    新府城は、釜無川の東にそびえる「七里岩」の崖上の天険を利用した城で、南北600m、東西550m、外堀との標高差80mの平山城で、石垣は用いられていません。本丸の西に「蔀の構」を隔てて二の丸があり、本丸の東には稲荷曲輪、二の丸の北には…

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