埼玉(さきたま)古墳群は、5世紀後半から7世紀初頭にかけて築かれた古墳群で、前方後円墳8基、円墳1基、並びに小円墳群で構成されています。我が国屈指の古墳群で、国の特別史跡に指定されており、世界遺産への登録を目指しています。
古墳群は前方後円墳の形態に強い規格性を持ち、古墳時代の地域の首長層とヤマト政権とのつながりなど、古墳研究上、重要な遺跡として高く評価されています。
昭和43年(1968)、「さきたま風土記の丘」を整備するため稲荷山古墳を発掘調査したところ、人を埋葬した施設…
白川郷は、岐阜県北部庄川上流にある集落で、合掌造りの家並みが独特の景観を形成しています。昭和51年(1976)重要伝統的建造物群保存地区に指定され、平成7年(1995)に、五箇山(富山県)と共に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
合掌造りの家屋は、耐震、防火、積雪など、この地方の自然環境と生活の知恵が生かされたものです。家屋の中では、一階は生活の場でしたが、上層は養蚕や機織りが行われていました。同じ建物の中で、生活と労働が集約…
名古屋城は、名古屋市のシンボルで、天守に輝く金の鯱が有名です。日本100名城の一つにも数えられ、国の特別史跡に指定されています。
ここには16世紀後半、今川氏が築城した那古野城がありました。熱田台地の北西端に位置し、濃尾平野の軍事上の要衝にあたります。織田信長はここから清州に本拠地を移したため廃城になっていました。
関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、豊臣方への備えとして慶長18年(1609)にここに新城を築き、それまで城のあった清州から城下町を移しました。以後御三家筆頭…
本土寺(ほんどじ)は、千葉県松戸市平賀にある日蓮宗の名刹で、山号は長谷山。「あじさい寺」「四季花の寺」として親しまれています。春の桜、夏のあじさい、花菖蒲、秋の紅葉の時期は特にすばらしく、多くの方が参詣します。
本土寺は、元は豪族平賀忠晴の屋敷跡だったと伝えられます。平賀氏は源氏の名門で、家中から日蓮門人、日朗、日像、日輪を輩出しました。建治3年(1277)、日蓮聖人の篤信者で時の領主曽谷教信の協力を得て法華堂を建立し、日蓮上人の高弟日朗(にちろう)を導師として招き、開堂したたこ…
岩櫃城(いわびつじょう)は、真田氏の居城として知られた城郭で、上州最大規模を誇り、吾妻百景を代表する景勝地 岩櫃山(標高803m)の東の山裾に築かれていました。
平成28年(2016)のNHK大河ドラマ「真田丸」で真田氏が注目を集めたため、古城ファンのみならず、観光客も訪れるようになっています。平沢登山口には無料駐車場、観光案内所が設けられており、中世の城郭としてはとても見学しやすい環境で、東吾妻町は観光にも力を入れているようです。
岩櫃城がはじめに築かれたのは南北朝のこ…
豊田佐吉記念館(とよださきちきねんかん)は、トヨタグループの創業者豊田佐吉の生誕地に開設された記念館です。展示室、母屋、生家などと、裏山、展望台が整備され、佐吉の生涯を偲ぶことができます。
豊田佐吉は慶應3年(1867)にこの地に生まれました。貧しい農村を見ながら、発明を通して日本を裕福な国にしようと考えた佐吉は、明治23年(1890)豊田式木製人力織機を発明し、大正15年(1926)トヨタ自動車の前身である豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)を創設しました。佐吉は独自で織機…
岩木山神社(いわきやまじんじゃ)は、津軽国一宮、津軽富士とも呼ばれる岩木山の麓に鎮座する神社です。親しみを込めて「お岩木さま」「お山」とも呼ばれますが、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神、また祖霊の座すところとして崇められてきました。
創建は、今から約1200年前の宝亀11年(780)、社殿を山頂に建立したのがはじまりとされます。延暦19年(800)に、征夷大将軍 坂上田村麿がこれを再建し、別に山麓の十腰内に下居宮(おりいのみや)を建立し、山頂を奥宮と称し、寛治5年(1091)神…
尾瀬(おぜ)は、福島県・新潟県・群馬県にまたがる高原で、尾瀬国立公園に指定され、ミズバショウ、ワタスゲ、ニッコウキスゲなど、湿原特有の貴重な植物群落が見られ、その自然美は素晴らしいものです。ほぼ全域が国立公園特別保護地域および特別天然記念物に指定されており、湿原保護のため、ほぼ全域に木道が整備され、山に不慣れな方でも歩き易くなっています。
尾瀬は周辺火山の噴火活動により、約一万年前に形成されたと考えられています。至仏山、燧ヶ岳などの2,000メートル級の山々に囲まれた盆地となっており…
府中市郷土の森博物館(ふちゅうしきょうどのもりはくぶつかん)は、東京都府中市にある野外博物館です。博物館本館・プラネタリウムをはじめ、地形を生かした園地に復元建築物を配置し、歴史の息吹や四季の折々の自然に触れることが出来るようになっています。
博物館の学芸分野は、考古、歴史、民俗、自然、天文とさています。考古分野では、この地域は、武蔵国の国府が置かれたため、奈良・平安時代の遺跡が多く、発掘調査と研究の成果は、全国の国府研究のなかでも大きな役割を果たしています。歴史分野では、古代・中…
妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)は、埼玉県熊谷市にある真言宗の寺院で、歓喜院(かんぎいん)とも呼ばれます。日本三大聖天の一つとされ、聖天堂(本殿)は国宝に指定されています。
寺伝では治承3年(1179)に、長井庄を本拠とした斎藤別当実盛が、大聖歓喜天を奉り聖天宮を開のが始まりとされています。国宝の聖天堂は、江戸中期に再建されたものですが、大工棟梁は妻沼の名工林兵庫正清といわれ、幕府作事方棟梁の平内政信の子孫であり、二十数年をかけて再建されたものです。拝殿・中殿(相の間)・奥殿か…