埼玉古墳群〔特別史跡〕 -埼玉県行田市大字埼玉-
2021 / 03 / 20 歴史コラム
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埼玉(さきたま)古墳群は、5世紀後半から7世紀初頭にかけて築かれた古墳群で、前方後円墳8基、円墳1基、並びに小円墳群で構成されています。我が国屈指の古墳群で、国の特別史跡に指定されており、世界遺産への登録を目指しています。
古墳群は前方後円墳の形態に強い規格性を持ち、古墳時代の地域の首長層とヤマト政権とのつながりなど、古墳研究上、重要な遺跡として高く評価されています。
昭和43年(1968)、「さきたま風土記の丘」を整備するため稲荷山古墳を発掘調査したところ、人を埋葬した施設や副葬品が出土しました。これらの遺物は、我が国の古代史を考える上で貴重なもので、昭和58年(1983)国宝に指定されました。現在、さきたま史跡の博物館の国宝展示室に展示されています。
また、丸墓山古墳は、豊臣秀吉の小田原城攻めに伴う忍城水攻めの本陣が置かれた場所でもあります。古墳前の通路は、石田堤の遺構の一部といわれ、総大将石田三成の名を冠してそう呼ばれています。
現在古墳群は、埼玉県立さきたま古墳公園として開放され、さきたま史跡の博物館や移築古民家(旧遠藤家、旧山崎家)も置かれるなど、野外博物館となっています。丸墓山古墳周辺は桜の名所としても知られ、春には古墳上や周辺に植えられた桜を楽しむことが出来ます。
地図‐埼玉古墳群
埼玉県立さきたま史跡の博物館
撮影日:2020年03月26日
2021-03-20